![天体観測の夜。暗い空に星が散らばる。観測者のシルエットは手前に小さく座り込み、巨大な望遠鏡の筒先だけが薄紫の光で照らされている] (!/assets/images/404-void.svg)

「観測者は見ると同時に、観察対象にも観察されていることがある」—観測ノート末尾のメモ(日付不明)


私は毎晩観測している。天体望遠鏡を自宅のベランダに据えつけてから一年になる。星座の名前はもう忘れた頃だった。しかし先日、木星と土星が近づく夜にだけ起きたことが頭から離れない。

観測データの記録はいつも通りだ。「19:23 木星 高度34°」「19:47 太陽光反射を確認」——普段ならこの程度のデータで終わる。

しかし次の日、別の時間帯の観測ログには「19:47 木星 自発光」と記録されていた。


観測ノートに書き記された一行の手書きメモ。黒い紙の上で赤色のインクが一点のみ照らされている

「木星の表面温度が47℃を記録した。この瞬間だけ。」—2019年8月観測日誌

私はその日、ログを確認し直すのに三時間かかった。「自発光」は誤字ではなかった。木星の表面で何かが熱を発し始めたのだ。ただしその温度が異常に一定だったことに気づいたとき、私は恐ろしくなった。

「47.0度」。小数点以下を含まない数字が、天体の表面温度として報告されるべきではない。


観測記録表のスクリーンショット風。横軸が時刻、縦軸が木星。中央に47℃を示す赤い点が突然現れ途切れる状態

「木星は見ているだけでいい」と私は言ったが、次の夜も同じタイミングで観測を続けた。なぜなら:

・自発光は47分間だけだった

・その間、どこかが見返してくるような錯覚を覚えた

・ログに記録されたのは一晩だけ。他の日ではいつも通り太陽光反射しか映っていない


空を撮った写真。木星があるはずの位置に暗い点があり、周囲がわずかに歪んでいる

私は次の夜から観測を止めた。理由はもう一つある:

昨日も先月もその前も、ログには「自発光: 確認」が記録されていたのだ。(日付の異なる3回分)

しかし私の記憶ではそれはなかった。「47度」。小数点以下のない数字。これは温度を意味するのではないと思う。何かの座標かもしれない。


「望遠鏡に映るものは、見ている者にも向こう側から視線を送ることがある」—観測ノート(日付: 不明)末尾追記