第一日目:遺品整理依頼

「田中さんのお部屋に、番号がない箱が七個ありました。確認だけお願いします」

不動産屋からのメールはこれだけだった。三〇代男性単身者で、一週間前に発見時に既に亡くなっていたそうだ。遺族はおらず、遺品整理の全作業を外部委託する形での契約だった。

田中誠二(仮名)の部屋の広さは約六帖。押入に押し込まれた鞄の中から見つかった。

箱の外観

  • サイズ:横20cm×縦15cm×奥行き12cmほどの長方形
  • 材質:プラスチック製、蓋が付している
  • 特徴:全ての面に無数の小さな点状の窪みがある(穴でもない、平面的な凹)
  • 表面に数字・文字は一切記録されていない
  • 底面のみ「000」という印字が薄くあった

第二日目:箱の調査

七個の箱を重ねて撮影した。

① 重量測定
一組全て1.2kg前後。開封後、それぞれ中に入っていた物は以下:

  • 箱A:黒い糸玉(長さ不明、約1メートル分)
  • 箱B:茶色い綿棒5本(未使用、包装済み)
  • 箱C:金属製シール×3(剥がされていない)。片面に数字の刻印あり
    → 刻印内容「04」「07」……等。合計8枚

矛盾するデータ

田中の家には携帯電話とPC以外に、デジタル家電は記録なかった。そのPCを起動したところ:

  • 「04」「07」というファイル名で保存されたテキスト文書が3つ
  • 中身は「2026年1月×日 〇時に届いた」という記録のみ
  • メタデータ上、保存日は令和六年三月。しかし今日より未来の日付が複数含まれていた。

第三日目:最終確認作業

「2027年の明日の出来事」を記録した文書に、同じ箱から取り出した金属シールが使われていたことが判明。

不動産屋に再度連絡:

「田中さんが亡くなる前に、箱の中に入っていたもの全てを出して写真を撮りますか?」