Pienzaの魔女・ぶどう畑

枯れた葡萄の木と地面から伸びる手

ピエンサ。トスカーナの丘の頂、シエーナの東に佇む街。

朝霧のなかで、畑仕事をする人々は口を揃える。「葡萄はもう夜中に熟さない」。

これは呪いだ、と老人たちは首を傾げるという。


ピエンサは、もともと「カスティゴール・デル・ラーゴー」(湖城)と呼ばれる小さな要塞都市だった。15世紀後半、教皇ピウス2世がこの地を気に入り、ルネサンスの理想都市を建てるために街に名を与えた。「ピエトログナタ」(石で生きた者たち)。そして今日、ユネスコの世界遺産として名高い。

だがそれ以前から、この地の土は呪われていた。


ある秋のこと。ある葡萄栽培者は、畑の南隅にある古い松を切り倒した。するとその根元に穴が開いていた。中から、小さな手が伸びて来た。まるで子犬のように懇願するように。だが栽培者は踏みつけにした。

翌朝、畑はすべて枯れていた。


老人たちは「あの子たちはもう夜に眠らない」と言った。「夜が来ると、ぶどうは熟す前に朽ち、根元から腐敗する」。

葡萄は、すでに死の土を食んだ。


ピエトログナタ。つまり「生きた石たち」。

もともとこの街には「魔女」がいた。彼女はおそらくピウス2世自身や、当時の司教が唱賛しているだろうが、それは別の話だ。

だが、この地に住む者たちは口を揃える:「夜に葡萄の木に近づくな」。


カスティゴール・デル・ラーゴに湖があった頃。ある少女が、水に溺れる前に、地面に爪で字を書いたという。その字の数は七つ。だが、その内容が何かは、誰も教えてくれなかったという。

老人たちは首をすくめた。「あの子たちの名前だ」。

しかし彼女の名前は、もう誰にも書かれなくなっていた。


ピエンサの人々は言う:「ぶどう畑には近づくな」。

とくに夜は危険だ。

なぜなら、すでに死んだ子たちも、まだ生きている子たちと同じように、夜中に葡萄を味わっているはずだから。それは土から出た酒ではなく、枯れた根から滲む汁かもしれない。