ペットカメラの夜間モードに、猫がいないはずの人影が映っていた
2026年09月12日
実話です。友人のA子(28歳、東京・世田谷在住)の話。
A子は三ヶ月ほど前、一人暮らしを始めました。田舎から上京して、念願のワンルームマンション。部屋は狭いけど、バルコニーから東京スカイツリーが見える。毎日のようにSNSに部屋撮りを投稿するほど、新生活に満足していました。
ただ、一つだけ不安があった。猫を二匹(チロとマル)飼っているんだけど、会社にいる間に何かあったらどうしよう、と。そこで導入したのが、八百円程度の安価なペットカメラでした。スマホからいつでも部屋の様子が見られる。通話機能付き。
最初の二週間は順調でした。チロがソファで寝てる写真、マルがトイレの砂を掘ってる動画。A子は会社でこっそり見ては微笑んでいたといいます。
三週目のこと。
ある深夜、A子のスマホにペットカメラのアプリからプッシュ通知が届きました。
「動体検知:リビング」
夜中三時。A子はすでに眠っていました。 notification 音に気づいてスマホを取ると、アプリのライブ映像が自動的に開きます。
夜間モードなので、映像は白黒。リビングの様子が写っていました。
チロとマルは、どちらもベッドの上で丸まっています。ふだん通り。
でも、A子の背筋が凍りました。
映像の隅、冷蔵庫の横。そこに、猫がいないはずの場所に、人の影が立っていたからです。
「あれ……?」
A子は画面を拡大します。ノイズのせいなのか、輪郭はぼやけています。でも、確実に人間のプロポーション。直立したシルエットが、カメラのほうを向いて立っていました。
「もしかして、ハッキング?」
心臓が早鐘を打ちます。A子は慌ててアプリの接続を切断。スマホの電源を落とし、そのまま朝まで眠れませんでした。
次の日、A子は友人に電話します。友人は「たぶんノイズだよ。安価なカメラだし」とあしらいました。A子もそう願いました。
でも、その夜また通知が来ました。
「動体検知:リビング」
夜中三時。また同じ時間。
再びライブ映像を開きます。今度ははっきりしていました。
猫たちはベッドの上。そして、冷蔵庫の横。先晩と同じ場所に、また人が立っていました。
今回は顔が少しだけ見えました。
白黒映像なのに、顔だけ異常に白く、目だけが二つの暗い穴として浮かび上がっています。
A子は叫び声を上げ、スマホを部屋中に投げつけました。
その日以来、A子はペットカメラを削除しました。でも、奇妙なことに、削除した後もたまに、夜中三時にスマホが振動するそうです。
アプリがないのに、通知が来る。
内容を確認すると、画面には「接続切断されました」と表示されるだけ。
A子は現在、実家に戻って両親と一緒に暮らしています。一人暮らしは、もう二度とできないといいます。
「でも一番怖いのは、カメラを削除した後も、夜中三時に通知が届くこと。部屋には猫もいない。なのに、なぜ……」