玄関の防犯カメラの映像

実録。僕の体験談です。

一昨年、引っ越し先の玄関に簡易型のWi-Fi防犯カメラを取り付けた。月額料金なし、バッテリー駆動で、スマホに通知が来るやつだ。設置したのは「何かあった時のため」くらいで、実際、最初の半年は一度も通知が来なかった。

それが去年の冬から、毎晩決まって凌晨2時頃に来るようになった。

「敷地内に動きを検知しました」

最初は「猫でも入ったか」くらいに思っていた。見ても、暗くて何も映っていない。ノイズが動いただけだ。でも、それが毎日続く。雨の日も雪の日も、2時になると通知が来る。カメラの感度を下げても、検知エリアを変えても、毎日決まって2時。

ある日、僕はふと疑問に思った。

「毎晩同じ時間になんで?」

カメラのログを確認すると、検知されたフレームを連続で再生できる機能があることに気づいた。ゆっくり再生して、よく見ると——

毎晩、2時0分ちょうどに、玄関のドアの前の階段に、白い影が立っている。

最初はぼやけていて、何なのか分からなかった。でも、一週間ほど連続で見ていたら、少しずつ形がはっきりしてきた。

最初はただの白い塊。次に、人間の形に近いもの。そして先週から、顔が見えるようになった。

カメラの画質は暗所でかなり荒い。でも、顔の輪郭ははっきりしていた。目だけが、カメラの方向を向いている。

昨日の夜、2時に通知が来た。見なかった。見れば、また顔が出るだけだ。

でも、今朝玄関に出たら、階段に雪が積もっていた。その上に、何かの足跡が一つ、だけ。

玄関のドアの真ん前まで来ている。

カメラのログを確認したら、昨夜の2時、顔はもう写っていなかった。代わりに、ドアのノッカーが動いている。

僕は今、ドアの隙間から外を見ている。階段には足跡が残ったままだ。

ノッカーが、また動いた。