永く泊まる客
2026年07月20日
2024年10月17日未明 — N市警察 署外取締部「MOTEL#6無断長期滞在問題」関連資料回収記録より
第⑤証言(最年少者)— 女性、9歳、地域子どもたちより聞き取り
あの部屋に人がいていいの? お母さんが怒ってたよ。僕も行ったとき、窓の中から「どうぞ」という声がしたから、「いらっしゃいませ」って言ったんだ。でも戻ってきたら泣いてた。「おじちゃんのお肉の声がよく聞こえた。」だって。何? 肉の声?
第④証言 — N市役所住民管理課窓口担当者(2024.9)「住所不定者」欄より、口頭での説明抄録:
「その住人は住民票は移動していない。ただし一ヶ月以上不在という報告が連続しており『実態として居住しているか不明』と処理した。大家からの連絡はない。アパート名簿から抹消もされていない状態です。」担当者曰く:「昔から同じ部屋の人が出入りしていても、大家が『まあいいだろう』で放置することが多い」と漏らしていた。
第③証言 — MOTEL #6 管理人・男性(67才)供述調書抄録:
私は1998年からこの施設を運営している。「長期滞在客はありがたい」って思ってた。入居者から請求が一切来ないのは問題じゃない。支払い方法が「月賦なし前払い」で、毎回現金一括というのが普通だ。「いつもこうだよ」と言われると信じざるを得なかった。
でも2021年以降、部屋⑥の清掃はすべて中断した。鍵の開閉方法すらわからず、「中に入れないから掃除代行もできない」と業者に連絡すると「大家が指示していない限り無理」と言われた。もう10年はこの状態だ。「誰も来ない」って誰にも連絡先を聞くなと言われ、事実どこにも届かなくなっていた。
第②証言 — 女性、28才、MOTEL #6 元客室清掃アルバイト(2023年7月~10月)供述:
「部屋⑥の掃除は禁止」という規則があった。理由は明示されなかったけど…他の部屋の掃除中に廊下で何かが聞こえることがあると報告したことがある。管理人は『問題ないよ、放置して』と返した。「でも部屋番号6番の前を通らなくていいルートを取って」って別の客から言われるほどだったな。」
アルバイト終了後、「お風呂の排水溝に髪の毛が溜まっていた」という記録を最後に残している。「何百本も…人間じゃない髪質も混じってた」とのこと。その後管理人は「清掃業者に任せている」と言い、事実上放置した。
第①証言(初発) — N市消防局救急隊隊員・男性、38才 通報受理調書(2024.6)抄録:
「MOTEL #6の施設内から異臭がする」と通報があった。到着時、廊下右側に10cm四方に黄色い液体が広がっているのを確認。「糞尿か?」と担当者は判断した。ドアを開けると、中から男性の声が聞こえた。しかし部屋⑥は常に施錠され「誰にも開かない」という通達に従っていたため、開け放ちには至らなかった。
通報内容の最終的報告:「管理人室から『他人事だ』と一義回答あり、警察への連絡を拒否された。」その後消防局は事件として記録したものの、刑事部門への連携がなされないまま処理済み。
資料閉鎖日:2024年10月23日 署外取締部「非公開」印付
最終注記(回収時のメモ欄): 『部屋⑥の鍵は管理人室にあるとの言。開封には刑事現場保存が必要。しかし「大家からの指示」なしに開ける勇気のある者は誰もおらず…』
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