壁に描かれた仮測定の定規線が途中で途切れた状態で止まっている

A氏(建築士)の現場ノート・抜粋

「2025年11月24日、現場訪問。新築分譲マンション305号室への内見対応。」

「外壁からの寸法をメジャーで計測した結果、1LDKとして設計していた間取り図と一致する。しかし内部の実測値が合わない」

「問題はこの部屋(寝室部分)の奥壁についてだ。設計上この位置にあるはずの壁から奥にはわずか30cmほどのスペースがあるだけで、そこから先の廊下までつながる通路があるとは誰も思っていなかった」

B氏(リフォーム業者・現場監督)からのメール履歴

2025年12月3日(火) 「A建築士様、お疲れ様です。明日の壁撤去工事に先立ち確認ですが…」

「撤去作業員から報告ありまして……奥側の『壁』をノコで切ったところ、『向こう側にもう一つ壁』が見えました。つまり、本来一つの空間であるはずの部屋の内部に、壁がもう一枚入っている状態でした」

2025年12月5日(木) 「A建築士様。撤去完了しました。『仮想的な壁』を取り除いた結果、元の部屋面積+1.5m前後の余分な空間が露出いたしました。図面にはない、30cm幅ほどの細長スペースですが」

2025年12月7日(土) 「A建築士様。図面通りに計画していましたが…実は壁を取り除いた後『さらに奥に』もう一つ空間があることが判明しました。合計40cmの狭い廊下のような空間が確認されました。設計図書上はこの位置には何もないはずですが」

C氏(305号室購入者・女性、28歳)のSNS投稿より

12/15 深夜2時頃投稿 (個人アカウント)

「今日、不動産営業の人に『部屋の奥にちょっと幅広な場所があった』と聞きました。どうやら設計ミスで元の壁とは別の壁がもう一枚あったらしいです。営業の人曰く『建築会社には確認済みなんですが…』って言ってました」

12/16 午前8時投稿 (同じアカウント)

「昨日の続き。部屋の一部に40cmの隙間みたいな場所がありました。でも壁に付いているコンセントが動かないんです。普通コンセントがあるところに幅35cmほどの空間が、壁を隔てた向こう側に存在していたようです」

C氏による追加の手記(後日談から)

「12月の中旬頃から『40cmの小さな廊下』のような場所へのアクセスを試みるようになりました。壁に穴を開けて確認したいと建築会社に伝えたところ、担当者に『内部の確認はしない方向でお願いします、構造上問題がないため』との回答を得ました」

D氏(隣戸住人・男性、35歳)の口述筆記

「隣の部屋で『壁打ち抜き工事』(内見用の穴あけ)をしていた時に見えたんです。壁をドリルで開けた際、『反対側にもう一枚壁がある』のを確認しました」

「そして『その向こうに何かいるか?』と聞いたら、職人さんが『40cmの細長スペースが延々と続いていて…奥まで見えないんですよ』と言われました」

E氏(建築会社・設計部門主任)への電話聴取メモ

2026年1月5日 午後3時聴取 「質問:図面と実際がずれている件について説明いただけますか?」 回答:「設計図書上は壁がない場所に壁がある、ということです。構造計算上問題ないため『修正しない方針』でした」

追加確認事項: 「その壁にはコンセントが含まれていました」「壁面の奥の空間は通路として機能していません」 「図面では壁のない位置に40cm幅の空間が延々と存在しています」